知りたい! 洗濯代行とクリーニングの違いと洗濯代行を選ぶメリット
洗濯代行とクリーニングには大きな違いがあります。今回は、取り扱うものから洗い方、料金設定そして納品の形までこまかく違いを解説します。ライフスタイルの変化や消費者の好みの変化により洗濯代行の需要は増加しています。洗濯代行とクリーニングの違いから洗濯代行を選ぶメリットをお伝えします。
洗濯代行とクリーニングは取り扱うものと洗い方が違う
洗濯をプロにお願いするときは「自分で洗えないもの」が当たり前でした。クリーニングは、水を使わずに洗濯する「ドライクリーニング」ができます。スーツやコートを洗濯機に入れて洗えば形が崩れてしまいます。ドライクリーニングは水の代わりに有機溶剤を使って汚れを落とします。しばしば洗濯機に「ドライコース」というボタンがありますが、クリーニングのドライクリーニングとは全く違うことです。
クリーニングでは、水を使わずに有機溶剤であぶら汚れを洗うことで縮んだり色落ちしたりすることを防いでいます。そして、クリーニングはアイロンを使って形を整え、復元しながら乾燥させます。必要に応じてハンガーにかけたり、たたんだりして納品です。
洗濯代行は、水やお湯で洗います。ランドリーバッグごとに業務用の洗濯機に入れて洗います。洗濯代行は、ランドリーバッグごとに洗濯を分けるため、他人の洗濯物や別のバッグに入れたものと一緒に洗われることはありません。洗濯が終わった洗濯物は引き続き乾燥機にかけて「たたんだ状態で納品」です。
洗濯代行とクリーニングでは、洗い方が全く違うため、取り扱うものも違います。洗濯代行は家庭の洗濯機で洗えるものに限ります。乾燥も乾燥機で行うため、水洗いだけでなく乾燥機にも耐えられるものに限られます。アイロンは、原則行っていませんが一部有料で行う業者もあります。ノンアイロンや形態安定のシャツを利用する人が多く、アイロンの必要性はさほど高くないのではないでしょうか。
洗濯代行では、クリーニングのようにハンガーを使った納品はしていません。ただ、ハンガーはSDGsの観点からも減少傾向にあります。クリーニングで使用するビニル製の包装材も脱炭素への取り組みから今後は減っていくのではないでしょうか。洗濯代行の「たたみで納品」は、環境問題からみてもメリットが大きいです。
洗濯代行とクリーニングの料金設定の違い
クリーニングの料金設定は、一点ずつです。衣類ごとに料金設定がされていて、素材や特殊処理の有無によって料金が加算されることがあります。例えばTシャツならば1枚400円程度（持ち込みの場合）が相場です。
洗濯代行は、洗濯物を入れるランドリーバッグのサイズを基本にして料金設定がされています。さらに月額利用なら割安になり、利用頻度が多くなればさらにお得に利用できる料金設定がされています。オプション料金は、洗剤の指定や洗濯物の種類によって発生することがあります。
例えば、38LのランドリーバッグならばTシャツは70枚以上入ります。クリーニングならば400円×70枚で28,000円になりますが、洗濯代行ならばランドリーバッグ1個で約1,800円（自社集配・月額制利用の場合）になります。もちろん、ランドリーバッグにはTシャツだけでなく、タオルやパンツなど水洗いと乾燥ができるものなら一緒に詰めても料金は変わりません。
洗濯代行とクリーニングでは気を付けることが違う
洗濯代行はクリーニングと比べて料金が安く気軽に利用できるメリットがあります。しかし、気を付けることがあります。
クリーニングは、洗濯物を預かるときに一点ずつ丁寧に確認をします。シミがあれば染み抜き対応、補修の必要があれば補修も受け付けることもあります。しかし洗濯代行は事前に汚れが気になる部分を伝えなければ特別な対応はしません。事前に伝えれば、汚れている箇所に洗剤をつけてから洗濯する対応はします。ただし、クリーニングのような高度な技術を伴った染み抜きは行っていません。ボタンつけやかがりなどの補修対応もしていません。
洗濯代行は、洗濯に特化し必要十分なサービスを提供することで安い価格設定を実現しています。
そのため、洗濯代行を利用するときにはクリーニング以上にポケットの中や縮みの可能性、色落ちのリスクに注意する必要があります。万が一、縮みや色うつりがあっても補償の対象外となるため、高価な衣類やドライクリーニングが必要な衣類はクリーニングを利用したほうがいいでしょう。
洗濯代行とクリーニングの方向性の違い
洗濯代行は、現代人のライフスタイルや需要に沿った新しいサービスです。クリーニング市場は、直近20年で約半分に縮小されています。原因は、形状記憶技術の進歩によって自宅で洗濯できる衣類が増えたこと、クールビズの普及によってスーツの利用が減ったことなどが挙げられます。リモートワークや在宅勤務が続けばさらに需要は減っていくと考えられています。
そんな厳しい状況下で洗濯代行を始めるクリーニング店も登場しています。安い洗濯代行とクリーニングが同じ場所で利用できることは大きなメリットです。ただ、クリーニングは「持ち込み」がほとんどです。洗濯代行は「デリバリー」がほとんどです。家事や育児で時間と手間を軽減したい人は洗濯代行、クリーニングの利用が多ければクリーニングのように利用者のニーズによって使い分けることができます。
おわりに
洗濯代行は、家事に対する考え方の変化や時短を優先したい現代人のニーズによって需要が増え続けています。洗濯代行とクリーニングの違いを知って生活の一部に洗濯代行を取り入れてみてはいかがでしょうか。