洗濯代行とリネンサプライの違いとは? それぞれのメリットとデメリット
洗濯代行とリネンサプライはサービスの内容が似ています。どちらも「洗濯を代行するサービス」ですが、内容に違いがあります。今回は、ふたつのサービスの違いとともにメリットとデメリットをお話しします。
洗濯代行とリネンサプライはサービスの範囲が違う
洗濯代行は、契約者が所有する洗濯物を預かり、洗濯をして配達をするまでがサービスの範囲です。対象となる洗濯物は、契約者の所有物であり洗濯代行業者は「お預かり」して洗濯をします。
一方のリネンサプライは、契約者が必要としているリネンを貸し出して使用後に洗濯をします。対象となる洗濯物は「貸し出しているもの」であり、契約者が所有するものは含まれません。さらに、サービスの範囲は洗濯代行よりも広いです。リネン製品(タオルからシーツ、テーブルクロスなど)の在庫管理から品質管理まで行います。契約者に対して営業担当がつき、契約者のニーズをこまめに拾い上げるサービスをしている業者もあります。
洗濯代行とリネンサプライは事業開始時の初期費用が違う
洗濯代行は、契約者が所有するものを洗います。そのため、洗濯するものは契約者が用意します。リネンサプライは、すべてリネンサプライ業者が用意します。たくさんの種類の中から契約者のニーズにあったタオルやテーブルクロス、シーツ類を提案し、契約後はそれらを貸し出します。
つまり、新規で店舗をもったり事業を始めたりするときには、洗濯代行を利用するならばすべて契約者がリネン類を用意することになり初期費用は大きくなります。リネンサプライを利用するならば、リネンサプライ業者と話し合い適した商品を選ぶだけなので初期費用が膨らむことはないでしょう。
洗濯代行とリネンサプライは集配頻度と最低発注数が違う
洗濯代行の集配は、契約者ごとに違います。事業規模や洗濯頻度に応じて、随時依頼することも曜日を固定して定期集配することもできます。リネンサプライは、週1回から週2回の頻度で早朝に集配がされます。
また、ふたつのサービスには最低発注数が大きく違います。洗濯代行は、一般家庭の洗濯物の量から申し込みができます。リネンサプライは、定期的に一定数を発注する必要があります。
洗濯代行とリネンサプライのメリットとデメリット
洗濯代行とリネンサプライには、それぞれ特徴があり事業規模や頻度によってメリットとデメリットがあります。ここからは、洗濯代行とリネンサプライそれぞれのメリットとデメリットをお話しします。
<洗濯代行のメリットとデメリット>
洗濯代行のメリットは、契約者がこだわりを持てることです。使用するリネン類は、契約者が用意します。「上質なタオルがいい」「自社のロゴ入りがいい」「リネンサプライでは取り扱いがないものを取り入れたい」と思うならば、洗濯代行のメリットが大きいでしょう。洗濯代行は手作業でたたむため希望に応じた「たたみ方」をすることができます。小規模店舗でタオル類を決まった棚に収納する場合、棚の幅にあうようにたたむこともできます。
また、洗濯代行は随時依頼が可能です。来客数に波がある業種、不定期営業などは、利用の有無に関係なく集配にくるリネンサプライよりも洗濯代行のほうが柔軟に利用できるでしょう。
洗濯代行のデメリットは、初期費用がかかることです。サロンやクリニックでは大量のリネン類が必要です。事業開始時には初期費用がかさみます。
<リネンサプライのメリットとデメリット>
リネンサプライのメリットは、安定的にリネン類が供給されることです。例えば、ホテルや旅館でリネンが足りなくなってしまったら大変なことになります。大手リネンサプライは、国内にいくつもの工場と配送拠点を持ち、災害時でも安定的に供給できる仕組みをつくっています。また、リネンサプライは基本的にすべてのリネン類はリネンサプライ業者が用意をします。使用中にいたんだり汚れたりしたものは、入れ替えて常に品質管理も行っています。そのため、契約者が初期費用や買い替え費用などまとまった予算を組む必要がないメリットがあります。
リネンサプライのデメリットは、リネン類にオイルがつく業種は利用が難しいことと最低ロット数があることでしょう。例えば、エステサロンでは大量のリネン類を使いますが、オイルが浸み込んでしまう可能性があります。オイルが浸み込んだリネンは、乾燥機にかけたときに発火するおそれがあり、リネンサプライ業者は対応不可なことが多いのです。また、リネンサプライには最低ロット数とよばれる、最低発注数があります。使用するリネンが最低ロットよりも少なければ割高になるかもしれません。
・おわりに
最近は、個人経営のサロンや小規模店舗が増えています。また、新型コロナウイルスの影響で使用するリネン数が減っている業種もあります。リネンサプライは、大手ホテルチェーンや飲食チェーン店など大量のリネンを高頻度で必要とする業種に適しています。しかし、個人経営や小規模店舗、使用量が減っている業種には柔軟な対応ができる洗濯代行のほうが適しているのではないでしょうか。洗濯代行とリネンサプライの違い、そして得手不得手を知り、自社に適したサービスを選んでください。